製造業の種類
食品製造業
食品製造業とは、生ものである原材料から、工業規模で食品・飲料の製造を行い、製造した製品を販売することで収益を得るものを指します。
「食べる」という人に欠かせない行為を支えている重要な産業であり、国民の栄養状態、健康状態にも影響を及ぼす産業のため、製造される食品の安全性には特に注意を払わなければならない産業です。
人間生活するうえで欠かせない行為を支える産業だけに、その安定性は高く、業界が著しく縮小することも考えにくいことも魅力と言えるでしょう。
衣服製造業
天然・合成の繊維から糸をつくり、織布し、各種の第二次加工を行えるようにするのが繊維製造業。その繊維を用いて、衣服を造るのが衣服製造業となります。
人間の生活に欠かせない衣食住の衣をつかさどり、日本国内でこれ以上の爆発的成長は見込めないものの堅牢で安定的な需要があります。
今後は海外市場での需要を獲得していくことも同産業の成長のポイントとなるかもしれません。
木材製造業
木材供給は国産材(丸太、林地残材、工場残材)と輸入材(丸太、製材、合単板、チップ、パルプなど)の2つに分かれ、その木材を加工し、様々な木材加工品が生産される。広義の木材の製造業界とはこの役割を担う企業を指します。
特に建築材料の木材の需要は、SDGsの流れもあり、世界的には拡大傾向。
日本国内においても、木造高層ビルの建築を大手ゼネコン・大手不動産ディベロッパーが企画しており、今後も建築材の需要は、拡大していくことが見込まれています。
木材で高層建築を建てるために、木材の強度を高める技術力も高まってきており、材木をカットする木工機械には今後も需要はあるでしょう。
化学製品製造業
塗料、染料、顔料、油脂、化粧品原料など、化学製品製造業は広く、多くの製品が製造されています。
古くは江戸時代・明治時代からルーツの続く化学製品製造企業もあり、その歴史は古いです。
多種多様な製品があり、景気変動や社会情勢などに収益が大きく影響を受けるのも化学製品製造業の特徴。
複数の主力製品の柱づくり、海外販路の拡大が、各企業の成長のポイントとなっており、今後も製品も技術も進化を続けていく業界でしょう。
プラスチック製造業
工業製品の部品・素材となる成形されたプラスチック製品を製造する企業を指します。
一言にプラスチックと言っても、強化プラスチック製品、プラスチック発泡製品、コンベアネット、ベルトなどの樹脂製品など様々なものが含まれ、その用途も自動車や電気・電子機器、建材・建築設備、パイプ、日用雑貨、医療・衛生用品など、多岐にわたります。
最終製品の部品となることが多いプラスチック製品は、受注企業の状況の影響を受けるため、新型コロナウイルスなど社会情勢や景気動向の影響を受けることも多く、市場規模は横ばいとなることもありました。
しかし、プラスチック自体の付加価値を高める、海外市場に参入していくなどの企業努力から、収益を拡大している企業も少なくありません。
金属製品製造業
金属製品製造業とは、鉄鋼や非鉄金属などの金属精錬製品を原材料として、金属部品や最終製品に加工し、販売する企業を指します。
主な金属製品は、食缶・金属プレス製品・機械刃物・作業工具・鉄骨・橋梁・鉄塔・サッシ・シャッター・金網・バネ・ねじなど機械部品や比較的小型の最終製品が多くあります。
金属製品製造業の関わる製品は多種多様で、さまざな業界と関わっています。そのため、金属製品製造業の業績は、各業界の動向に影響されやすいという側面もあります。
金属製品製造業は、特定製品のみを製造する中小零細企業が多い業界であり、日本のものづくり産業を支える高い技術力を持った企業が多く、その技術力から海外でも需要のある製品は少なくありません。
一般機械器具製造業
一般機械器具製造業とは、各種機械への組み込み・取り付けに汎用的に用いられる機械器具であり、産業用の機械などを製造している企業を指します。
かなり大きな区分となり、企業によっても取り扱っている製品は大きく変わってきます。
電気機械器具製造業
電気エネルギーの発生、貯蔵、送電、変電及び利用を行う機械器具が分類され、「重電機」「軽電機」に大別される業界。
軽電機器は、一般家庭や事務所用品となっているような電気機器。重電機器とは、工業用に使用する電気機械のことであり、発電原動機(ボイラ・タービンなど)、回転電気機械(発電機、電動機、モーターなど)、静止電気機械(変圧器、電力変換装置、コンデンサなど)、開閉機器(配電盤、開閉機器など)などが挙げられます。
輸送用機械器具製造業
輸送用機械器具製造業は、自動車、鉄道、航空機、船舶、自転車等の輸送用機械と、その付属品を製造する企業を指します。
その中でも、市場規模から中心になるのは自動車製造業であり、日本の全製造業の中でも中心となる業界です。
精密機械器具製造業
精密機器業界は医療機器、時計、計測機器分野などに主に分けられます。
近年の新型コロナウイルスによる社会情勢に伴い、精密機械器具の市場は医療機器に関しては拡大傾向にあります。
しかし、すべての業界で拡大傾向にあるわけではなく、時計などはコロナ禍のあおりを受ける形となってしまっています。
精密機器は技術力を要する製品で、競合が一気に増えるような市場ではないので、今後も社会情勢で需要の縮小があったとしても、その時々に必要な製品が生まれ、堅牢な市場規模を維持し続けるのではないかと考えられています。